協賛

いつからか中学からの友人に、ほとんど会わなくなりました。連絡をして都合を合わせればすぐ会えるのに、年が変わるタイミングでしか集まらなくなりました。

会ったら会ったで、なんの劇的な展開も無く、いつも通り桃鉄をして、いつも通りなんとなくサウナに行ってそれで終わりです。彼らはいつも、僕の中では「ぼんやり」、という表現で表すのが正しいような存在です。

でもそれと同時に、彼らは僕にとって一生です。これから歳を重ねていく中で変化していくことはあれど、僕は彼らの存在は一生ぼんやりと忘れないし、それは彼らの中でもきっとそうだと思っております。そしてその一生ぼんやりは、家族やおばあちゃんもそうで、これから先、ただただ一生僕の中で続いていく存在です。

そういう「一生、ぼんやりと、まあ多分なんだけど忘れないこと」を映画にしました。
伝えたいメッセージやテーマは全然なくて、僕の話を誰かに聞いてもらいたくて、その誰かの話を僕に聞かせて欲しくて、映画を作りました。

そしてそんなことが続いていって、この映画が映画としてずっとずっと未来に存在していて、見知らぬ誰かと誰かが、この映画を見て、お喋りしていてくれたらいいなと思います。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
原案・企画・主演　山脇辰哉